最近気づいたんですが、普段から歴史系、社会学系のまとめサイトに入り浸って書き込みをしているうちに、だんだんサイトのメンツや世論が、私の書き込みに流され引っ張られるようになってきたんです。
不思議な現象ですよね?
”私は私の知っていることを”、“その場にいる人々に通じるよう噛み砕いて”、“私の言葉で短い文章を“たまに書き綴っていた、だけなんですよ?
最初は自分にそれだけの影響力があるんだな~、私の言葉には力があるんだな~、と無邪気に喜んでおりましたが、情報戦術の本を読んで真っ青になりました。
■私は私の知っていることを
そもそも、私の知識の出どころは現地に行って頑張って確認して回ったモノを除けば、インターネット掲示板、動画サイト、古本、テレビ、新聞などです。つまり、世間一般の皆さんとなんら変わりません。
どの分野の誰の情報にアクセスしてるのかで知り得た情報が皆さんとは異なるでしょうが、社会全体で見た場合は誤差の範疇です。
なにせ世の中に出回っている情報というのは『一般人が見ても問題ない』と、判断された検閲済みの情報なのですから。たしかに真実は含まれているでしょうが、各組織にとって都合の悪い事実は伏せられたり消されたりしていると思っていいと思います。動画や写真やグラフも同様です。
■その場にいる人々に通じるよう噛み砕いて
人間はコミュニケーションをとる生き物です。
コミュニケーションは言葉のキャッチボールですから、その場にいる人達へ意図が伝わるよう言葉選びをしなければなりません。
コミュニケーションの言葉は文章と違って、所属しているコミュニティによって使い方を変えてゆかなければなりません。ですから頭の偏った人たちが多いコミュニティで自分の意見を通そうと思ったら、自然とその人達のレベル、構成員の世界観や文化に合った言葉を捜さなければなりません。
そうやって徐々に“仲間”になってゆくのです。
■私の言葉で短い文章を
例えばアニメやゲーム等のまとめサイトがわかりやすいですが、結構な確率で制作会社のスタッフが紛れ込んでいますし、何ならファンを装ってまとめサイトを立ち上げていたところもありました。そういったサイトでは「ファン同士の語らい」を装って場を誘導し新製品の開発プランを考えるように仕向けたり、偶然を装って内部情報を公開したり、スレの一個人が考えた未来予想を装って反響をモニターしていたりします。
こういう行為をステルス・マーケティングと言うそうですが、これは私の好きな政治板、歴史板でもよく観察すれば類似のパターンが観測できます、例えば、時事ネタでも無いのに複数のサイトで突然同じテーマのスレッドが立ったり、同じ方向へ誘導しようとする書き込みが複数のサイトで一斉に観測されたり、といった具合です。もしも毎日サイトに入り浸っているなら、既に考え方を誘導されている可能性が非常に高いと思います。
もっと言えば、ミステリー小説などに見られるテクニックで、タイミングをずらしてあえて不完全な言葉を使うというのもあります。
短い言葉でなにか重要そうな事が、妙に引っ掛かる変な言い回しで書かれているヤツです。
意味深といいましょうか、不完全である部分を読者は無意識に埋めようと材料を探してしまいます。そして読み進めてゆくと思わぬところに答えが置かれているのです。
伏線の回収という演出です。これと全く同じことがSNSやまとめサイトでは起きているのです。
私は、自身にインフルエンサーの素質があるように思っておりました。
私は私の知っていることを、その場にいる人々に通じるよう噛み砕いて、私の言葉で短い文章を書き綴っていたら、それに応えるように世の中全体が私の言葉に導かれるかのように後追いしてきたからです。(これがもう少し謙虚な人間だったら
「周りの人も同意見なんだあ、やっぱり正しいんだ」となります。)
ですが、霊能力者でもない私にそんな能力があるわけ無かったんです。
私のような状態を外から観測して定義したのが
「エコー・チェンバー現象」です。