フジサンの秘密基地!

とりあえず娯楽の本質を模索する試験ブログです。

中華食堂 嘉福楼(かふくろう)

 日本列島のヘソ。静岡県浜名湖といえばウナギ、ウナギといえば……新所原駅のウナギうどん!

因みにウナギという字は『鰻』と書きます。ヘビのように長い魚で生態があまり良くわかりません。

 浜名湖でのウナギの養殖というと繁殖とセットのように思われがちですが実を言うと人間が野生のウナギを捕まえて大きくなるまで飼育して焼いて食べてるだけであり自然界からウナギの個体数が減るばかりなので将来的にはカモシカのように捕獲禁止になるかも知れません。

 

 

 前回たどり着けなかった新所原名物のウナギうどんを食べるため今回は徒歩では無く文明の利器の電車を使い楽をします。

 JR新所原駅浜名湖の西にある湖西市にある田舎駅でここから天竜浜名湖鉄道に乗り換える事ができるようになっていて入口に鰻屋さんがあります。

 

けれど、どういうわけか三連休。

(というか友達とクルマで行った時も偶然営業して無かった………トコトンご縁がないようです)

 お腹をすかせた可哀想なオッサン。

東は湖に阻まれ北は山に向かって寂れて行きそうなので開けている西へ向かってフラフラ徒歩でさまよううちにとうとう愛知県へ足を踏み入れてしまいます。

(このブログ的に県外は圏外ですからルール違反ですが)

 背に腹は代えられない、とにかく何か食べ物を!

そう思っていたら踏切の向こうに大きな中華料理店が見えるではありませんか。

「イラッシャイマセ。一名さま?はいドーゾー!」

 中国南部出身という綺麗な女性店員が小気味よく中へ誘います。

 創業2年目の建物の外観は如何にも中国という感じですが席についてみると普通の明るい喫茶店

 そしてモツ鍋。

いやここちょいちょい中華っぽくないメニューがあるので試しにオーダーしてみた結果、以前モツ鍋専門店で食べた味と同じクオリティーだったので驚きます。

 初めて来店した私に先ほどの女性店員さんが色々話しかけて来ます。時間帯が時間帯ですしバックパックを背負っていた私は旅行者だと思われたのか(間違いでもない)、中国南部の観光地である南海省というヤシの木とハイビスカスの花が咲き誇り、白い砂浜にハワイアンブルーの常夏の島を教えてもらいました。

 そして勧められたのは何故か中国北部のカイコの蛹を揚げて炒めた郷土料理。

 カリッとした殻に唐辛子やニンニク、塩などで芳ばしく味付けされた身は海老の中に豆腐やオカラを詰めてふっくらさせたようで凄く美味しい。

 昆虫はイモムシから成虫になる際にサナギ(蛹)といって殻に覆われた姿になります。

 その蛹の中が一体どうなっているかというと分解酵素の働きでイモムシの体がドロドロに分解され、見た目が丁度チーズや豆腐にそっくりになっている上に成分的にももたんぱく質、つまりプロテインですから食べた時にお豆腐みたいな味がするというわけですね。…なんとなく着物臭いのが玉にキズですが。

 持ち帰りを所望すると店員さんが「冷めると味が著しく変わるよ、作りたてで殻がカリカリの状態の方がいい」と言ってきたが、レンチンするから大丈夫、さっさと作ってと伝えると作り始めました。

 こうして揚げカイコの蛹炒め(800円)をお土産に購入した上機嫌の私。ビールのおつまみに良いだろう。

事前に電話すれば弁当も作ってくれるということでメニュー表も貰いました。

 台湾料理を謳ってる中華料理店は多いけれど、ここの店員さんの話を聞く限り真面目に郷土料理を出してるっぽいですね。タピオカミルクティがわざわざラインナップにねじ込んであるのはおそらく伊達や酔狂では無いでしょう。

 こんどはタピオカミルクティ頼んでみよう。

 お土産を家で開けてみたら見た目が想像以上に虫の集合。

 見た目ばかりではありません。冷めた蛹はフニャっと柔らかくなっており、お店で食べた時のサクサク感が無く人によっては苦手な食感になってしまいました。

 レンチンしてアツアツにしてみたら微妙な臭みも抜けて美味しくなったがやはりお店で作りたてを食べたときよりあきらかに味が落ちている……もっというと虫特有の臭みが微かに出てきてますね。

 それに個体差が大きく中には成虫の元になる黒い物体が入っているのもあって特に味や匂いにクセが出ているが、これも恐らく揚げたてであればスパイスの華やかな薫りで美味しく食べられたと思う。

 蛹だけ取り出してフライヤーで軽く揚げなおすのが正解だったかも。いずれにせよ今人気の昆虫は栄養満点な代わりに取り扱いが繊細な食材であることがわかりました。